無期雇用派遣とは?やめとけと言われる理由や正社員・登録型派遣との違い、工場での働き方も解説
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2026/10/23
この記事でわかること
- 無期雇用派遣の仕組みと、正社員・登録型派遣・期間工との違い
- やめとけと言われる理由(派遣先を選べない・待機中の給与・賞与等)の本当と誤解
- 工場で働く場合の実態と、求人票・面談で確認したいポイント
派遣会社の担当者から無期雇用派遣を勧められたり、求人票で正社員型派遣という言葉を見かけたりして、どんな働き方なのか調べている方も多いのではないでしょうか。安定していると聞く一方で、やめとけという声も目に入り、判断に迷っているかもしれません。
ここでは無期雇用派遣の仕組みと他の働き方との違い、やめとけと言われる理由の本当と誤解、工場で働く場合の実態までをまとめて整理します。
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無期雇用派遣とは?派遣会社と期間の定めのない契約を結ぶ働き方
無期雇用派遣とは、派遣会社と期間の定めのない雇用契約を結び、派遣会社の指示で派遣先企業へ働きに行く働き方です。一般的な派遣は3か月や6か月といった契約期間ごとに更新しますが、無期雇用派遣にはその期限がありません。
厚生労働省によると、無期雇用派遣労働者は908,956人で、前年度から7.9%増えています。有期雇用派遣労働者の1,290,683人と比べると少ないものの、派遣で働く人のおよそ4割が無期雇用という計算になり、特別な働き方ではなくなっています。
雇用主は派遣会社、働く場所と仕事の指示は派遣先
無期雇用派遣では、本人と派遣会社、派遣先企業の三者が関わります。雇用契約を結び、給与を支払い、社会保険に加入させるのは派遣会社です。一方で、毎日働く場所は派遣先の工場や事業所で、作業の手順や当日の指示は派遣先の担当者から受けます。
この関係そのものは、登録型の派遣と変わりません。違うのは、派遣会社との雇用契約に終わりの期限がない点です。派遣先での仕事が終わっても派遣会社の社員であることは続き、次の派遣先を派遣会社が探します。
正社員型派遣や常用型派遣と呼ばれることもある
求人票では、無期雇用派遣のことを正社員型派遣や常用型派遣と書いているケースがあります。派遣会社によっては、自社で正社員として雇用し、派遣先で働いてもらう形をとっており、その場合は派遣会社の正社員という位置づけになります。
ただし、呼び方は派遣会社ごとにばらばらです。正社員型と書かれていても、給与が月給制か時給制か、賞与があるかどうかは会社によって違います。呼び名ではなく、雇用契約の中身を見て判断してください。
無期雇用派遣ができた背景は2015年の派遣法改正と3年ルール
無期雇用派遣が広がったきっかけは、2015年9月30日に施行された改正労働者派遣法です。この改正で、同じ派遣先の同じ部署で働ける期間は原則3年までというルールができました。いわゆる派遣の3年ルールです。
東京都産業労働局のリーフレット「派遣の期間制限」によると、派遣元事業主に無期雇用されている派遣労働者と60歳以上の派遣労働者は、この期間制限の対象外です。慣れた職場で3年を超えて働き続けたい人にとって、無期雇用派遣は3年ルールに縛られない選択肢として位置づけられています。
無期雇用派遣は正社員?
無期雇用派遣は、派遣先の正社員ではありません。派遣先の工場で何年働いても、雇用主は派遣会社のままです。
派遣会社が正社員として雇用している場合は、派遣会社の正社員と言えます。とはいえ、派遣先の正社員とは昇進の道や賞与の水準が違うことが多く、同じ正社員という言葉でも中身は別物です。この違いがあいまいなまま入社すると、思っていた正社員と違うという不満につながりやすくなります。
【比較表】無期雇用派遣と登録型派遣・正社員・期間工・紹介予定派遣の違い
工場で働く人が迷いやすい5つの働き方を、雇用主や給与の仕組みで並べました。給与形態や賞与は会社ごとに違うため、表は一般的な傾向として見てください。
| 項目 | 無期雇用派遣 | 有期雇用派遣 | 派遣先の正社員(直接雇用) | 期間工 | 紹介予定派遣 |
|---|---|---|---|---|---|
| 雇用主 | 派遣会社 | 派遣会社 | 働いている会社 | 働いている会社 | 派遣期間中は派遣会社、その後は派遣先 |
| 契約期間 | 定めなし | 数か月ごとに更新 | 定めなし | 数か月ごとに更新し、通算の上限がある会社が多い | 派遣期間は最長6か月 |
| 給与形態 | 月給制が多い | 時給制が多い | 月給制が多い | 日給制や時給制が多い | 派遣期間中は時給制が多い |
| 賞与・昇給 | 会社による | ないことが多い | あることが多い | 満了金や慰労金が出る会社がある | 直接雇用後は派遣先の規定による |
| 仕事がない期間の給与 | 待機中も雇用が続き給与や休業手当が出る | 契約が終わると給与もなくなる | 該当しない | 該当しない | 該当しない |
| 同じ職場で働ける期間 | 3年ルールの対象外 | 同じ部署は原則3年まで | 定めなし | 契約の上限まで | 直接雇用後は定めなし |
| 職場の選びやすさ | 選びにくい | 選びやすい | 入社時に決まる | 入社時に決まる | 応募時に選べる |
有期雇用派遣との違い
登録型派遣は、派遣会社に登録しておき、仕事が決まったときだけ派遣会社と雇用契約を結ぶ働き方です。仕事を選ぶ自由が大きい反面、契約が更新されなければ収入が途切れます。
契約期間と3年ルールの扱い
登録型派遣は、同じ派遣先の同じ部署で働けるのは原則3年までです。仕事に慣れたころに職場を移ることになるケースもあります。無期雇用派遣はこの期間制限の対象外なので、派遣先が受け入れを続ける限り、同じ職場で長く働けます。
派遣契約が終わったときの給与
登録型派遣では、派遣先との契約が終わると派遣会社との雇用契約も終わり、次の仕事が決まるまで収入はありません。無期雇用派遣では、派遣先の仕事が終わっても派遣会社との雇用は続きます。次の派遣先が決まるまでの期間は待機期間と呼ばれ、その間も給与や休業手当が支払われます。
派遣先の正社員(直接雇用)との違い
いちばん大きな違いは雇用主です。派遣先の正社員は工場を運営する会社に直接雇われているため、社内で昇進したり、部署を異動したりする道があります。無期雇用派遣は派遣会社の社員なので、派遣先で班長や係長に昇進することは基本的にありません。
一方で、派遣先の正社員は会社の業績が悪化しても簡単には職場を変えられません。無期雇用派遣は、派遣先の事情で仕事がなくなっても、派遣会社が次の職場を探す点が異なります。
期間工との違い
期間工は、自動車メーカーなどの工場に期間を決めて直接雇われる働き方です。期間ごとに契約を更新し、満了時に満了金や慰労金が出る会社もあります。短期間でまとまった収入を得たい人に選ばれやすい働き方です。
ただし、期間工は契約の更新に上限がある会社が多く、契約が終われば次の仕事は自分で探す必要があります。無期雇用派遣は短期で大きく稼ぐ仕組みではありませんが、契約の終わりを気にせず働ける点で、長く安定して働きたい人に向いています。
紹介予定派遣との違い
紹介予定派遣は、派遣先での直接雇用を前提に、最長6か月の派遣期間を経て、本人と派遣先が合意すれば派遣先の社員になる仕組みです。最終的に働きたい会社が決まっていて、その会社の社員になりたい人に合っています。
無期雇用派遣は、派遣先の社員になることを前提にしていません。特定の会社に入りたいなら紹介予定派遣、雇用の安定を確保しながら経験を積みたいなら無期雇用派遣と考えると選びやすくなります。
無期雇用派遣のメリット
無期雇用派遣のメリットは、収入と雇用の見通しが立てやすくなることに集約されます。具体的には次の5つです。
契約期間の定めがなく、雇用が安定しやすい
登録型派遣のように、契約更新のたびに次も続けられるか心配する必要がありません。派遣先との契約が終わっても派遣会社との雇用は続くため、急に収入がゼロになる不安は小さくなります。家賃や家族の生活費を毎月確実に払いたい人にとっては、この差が働き方を選ぶ決め手になります。
3年ルールの対象外で同じ職場で長く働ける
前述のとおり、無期雇用派遣は派遣の期間制限の対象外です。工場の仕事は、設備のくせや品質基準を覚えるほど作業が早く正確になります。覚えた仕事を3年で手放さずに済めば、任される工程が増え、評価や昇給にもつながりやすくなります。
月給制が多く収入の見通しが立てやすい
無期雇用派遣は月給制を採用している派遣会社が多く、祝日や大型連休がある月でも給与が大きく減りにくい傾向があります。時給制の場合、ゴールデンウィークや年末年始の工場停止で収入が落ちることがありますが、月給制ならその影響を受けにくくなります。
次の派遣先が決まるまでの待機期間も給与が出る
派遣先との契約が終わってから次が決まるまでの間も、派遣会社との雇用契約は続きます。会社都合で仕事がない場合、少なくとも労働基準法第26条に基づく休業手当(平均賃金の6割以上)が支払われます。待機中も給与を全額支払う派遣会社もあり、扱いは会社ごとにさまざまです。
研修や資格取得支援を受けられる場合がある
派遣会社にとって無期雇用派遣の社員は長く働いてもらう前提の人材です。そのため、入社時の研修やフォークリフトなどの資格取得を支援する制度を設けている会社があります。未経験から製造の仕事を覚えたい人は、こうした制度の有無を応募前に確かめておくと選びやすくなります。
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無期雇用派遣のデメリット
安定と引き換えに失うものもあります。デメリットを知ったうえで選ばないと、入社後に後悔しやすくなります。
派遣先や勤務地を自分で選びにくい
無期雇用派遣では、派遣会社が次の派遣先を決めます。業務命令として示された派遣先を、合理的な理由なく断り続けることは難しいのが実情です。勤務地や仕事内容にこだわりがある人ほど、窮屈に感じやすい部分です。
ただし、面接の段階で勤務地の範囲や職種の希望を伝え、雇用契約書に反映してもらえる会社もあります。入社前の確認でかなり差が出る項目です。
時給換算すると登録型派遣より低くなる場合がある
月給制で安定する代わりに、時給に換算すると登録型派遣の高時給求人より低くなることがあります。登録型派遣は人手が足りない現場ほど時給が上がりやすいため、短期で稼ぎたい人には物足りなく感じるかもしれません。
派遣先で昇進・昇格する道は基本的にない
派遣先で長く働いて仕事を任されるようになっても、雇用主は派遣会社です。派遣先の社員として昇進することは基本的にありません。派遣会社の中でリーダー職や教育担当になる道を用意している会社もあるため、キャリアの道筋は派遣会社ごとに確認が必要です。
採用選考があり、登録型派遣より入りにくい
無期雇用派遣の社員を長期間雇用し、待機期間中も給与を払うのは派遣会社にとって大きな負担です。そのため、登録型派遣より選考が丁寧で、面接や適性検査を課す会社もあります。登録すればすぐに働ける登録型派遣と比べると、入社までに時間がかかることがあります。
途中で辞めにくい
契約期間がないということは、契約満了というきりの良い区切りもないということです。退職する場合は自分から申し出る必要があり、期間を決めて働く派遣や期間工のような気軽さはありません。数か月だけ働くつもりなら、無期雇用派遣は向いていません。
無期雇用派遣は「やめとけ」「おかしい」と言われるのはなぜ?本当と誤解を検証
インターネットで無期雇用派遣を調べると、やめとけ、デメリットしかない、おかしいといった声が目に入ります。こうした意見には、事実の部分と誤解の部分が混ざっています。代表的な4つを順に確かめていきましょう。
正社員と言いながら実態は派遣、は本当?
本当です。無期雇用派遣は、雇用主が派遣会社で、働く場所が派遣先という派遣の仕組みそのものです。派遣会社の正社員として雇われていても、派遣先の正社員になったわけではありません。
おかしいと感じる人の多くは、正社員という言葉から派遣先の正社員を想像し、実際との違いに戸惑っています。最初から派遣会社に雇われる働き方だと理解していれば、だまされたという感覚にはなりにくいはずです。
派遣先の仕事が終わったらクビになる、は本当?
これは誤解が大きい部分です。厚生労働省の「派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針」では、無期雇用派遣労働者を派遣契約の終了だけを理由に解雇してはならないとされています。派遣先との契約が切れたこと自体は、解雇の理由になりません。
ただし、無期雇用であっても解雇の可能性がゼロになるわけではありません。労働契約法第16条では、客観的に合理的な理由があり社会通念上相当と認められる場合は解雇が有効になり得るとされています。直接雇用の正社員と同じく、重大な規律違反などがあれば解雇されることはある、と理解しておくと正確です。
待機期間は給料が減る、は本当?
会社によっては本当です。待機中の給与は、通常どおり全額を払う会社もあれば、休業手当として支払う会社もあります。休業手当の場合は、労働基準法第26条により平均賃金の6割以上が支払われますが、いつもの手取りより減ることになります。
待機が長引くと家計に響くため、待機中の給与の扱いと、過去に待機期間がどれくらい発生しているかは、入社前に確認しておきたいところです。
ボーナスが出ない、は本当?
これも派遣会社によって違います。賞与を年2回支給する会社もあれば、賞与がなく月給に含める形をとる会社もあります。2020年4月からは派遣労働者にも同一労働同一賃金のルールが適用され、派遣会社は賞与や退職金を含めた待遇の決め方を定めることが求められるようになりました。
求人票に賞与ありと書かれていても、支給実績や算定方法までは書かれていないことが多いため、面談で具体的に聞くことをおすすめします。
後悔しやすいのは確認せずに入社したケース
ここまでの4つを並べると、やめとけと言われる理由の多くは、無期雇用派遣という制度の欠陥というより、条件をよく知らないまま入社したことで起きるずれだとわかります。
正社員型と書かれた求人に応募し、派遣先の社員になれると思っていたのに、数年後に別の工場への異動を告げられるケース、賞与があると聞いていたのに、支給額が思っていたより少なかったというケースなど、よく耳にする不満や誤解は、入社前に雇用主と異動の範囲、賞与の実績を確認していれば防げた可能性があります。
製造業・工場で働く無期雇用派遣の実態
無期雇用派遣の求人は事務職のイメージを持たれがちですが、製造業の工場でも多く募集されています。工場で働く場合の具体像を整理します。
工場の無期雇用派遣で多い仕事
工場の無期雇用派遣で多いのは、機械オペレーター、組立、検査や検品、部品の加工、製造ラインの補助といった仕事です。同じ設備を長く担当できる人が求められる現場では、3年ルールの対象外になる無期雇用派遣が選ばれることがあります。
機械オペレーターや検査の仕事は、設備の扱いや不良品の見分け方を覚えるほど任される範囲が広がります。長く同じ職場にいられる無期雇用派遣なら、こうした経験を途中で手放さずに積み上げられます。
給与の仕組みは月給制に交替勤務手当や夜勤手当が加わる
工場の無期雇用派遣では、基本給を月給で受け取り、そこに交替勤務手当や夜勤手当、残業手当が加わる形が多く見られます。2交替や3交替の工場では、夜勤に入る回数によって手当が変わるため、同じ月給制でも月ごとの手取りには差が出ます。
深夜(午後10時から午前5時)の労働には、労働基準法第37条により25%以上の割増賃金が支払われます。求人票の月給に夜勤手当が含まれているのか、別に支給されるのかで、実際の収入の見え方は大きく変わります。
夜勤手当の詳細を知りたい方は以下の記事でまとめていますので参考にしてください。
寮・社宅付きの求人が多い理由と注意点
工場は郊外にあることが多く、遠方から働きに来る人のために、寮や社宅を用意している派遣会社があります。引っ越し費用の補助や家具家電付きの部屋を用意している求人もあり、住まいと仕事を同時に決められるため、地元を離れて働き始めるハードルが下がります。
注意したいのは、寮費や光熱費の金額と、派遣先が変わったときの扱いです。派遣先が遠方に変わる場合、寮も移ることになるのか、退寮期限はいつまでかを確認しておくと安心です。
寮付き求人詳細については別の記事でまとめていますので気になる方は確認ください。
派遣先が変わるときの流れと転居を伴う異動の有無
派遣先との契約が終わる場合、派遣会社は次の派遣先を探し、本人と面談して条件を伝えます。通勤できる範囲で見つかれば生活は大きく変わりませんが、近くに合う仕事がなければ、転居を伴う派遣先を提示されることもあります。
全国に拠点がある派遣会社ほど派遣先の選択肢は広がりますが、その分遠方への異動の可能性もあります。転居を伴う異動があるかどうかは、雇用契約書や就業規則で確認してください。
工場経験を活かしたキャリアの広げ方
工場で無期雇用派遣として働きながら、フォークリフトや玉掛け、危険物取扱者などの資格を取ると、任される仕事の幅が広がります。資格取得を支援する派遣会社であれば、費用の負担を抑えて挑戦できます。
派遣会社によっては、派遣先から直接雇用の打診を受けた場合に、派遣先の社員へ切り替えることを認めているケースもあります。将来どこで働きたいかによって、経験の積み方は変わります。
無期雇用派遣に向いている人・向いていない人
ここまでのメリットとデメリットを踏まえて、向いている人と向いていない人の特徴を整理します。
向いている人の特徴
無期雇用派遣の仕組みが合いやすいのは、次の3つに当てはまる人です。
雇用の安定と毎月決まった収入を重視したい人
契約更新のたびに次を探す生活から抜け出したい人には、無期雇用派遣の安定感が合います。月給制であれば、家賃やローンの支払い計画も立てやすくなります。
未経験から製造業・工場の仕事に挑戦したい人
研修や資格取得支援がある派遣会社なら、未経験からでも仕事を覚えやすくなります。直接雇用の正社員は経験者を求める求人も多いため、経験を積む入口として無期雇用派遣を選ぶ方法があります。
寮・社宅を使って働きたい人
地元を離れて働きたい人や、住まいの初期費用を抑えたい人には、寮付きの無期雇用派遣が選択肢になります。仕事と住まいをまとめて決められる点は、直接雇用の求人より有利な場合があります。
向いていない人の特徴
反対に、次のような希望が強い人は、別の働き方のほうが満足しやすくなります。
勤務地や職場を自分で選びたい人
派遣先は派遣会社が決めるため、職場を自分で選びたい人には窮屈です。この職場で働きたいという希望がはっきりしているなら、登録型派遣か直接雇用を選んだほうが満足しやすいでしょう。
短期間で辞める予定がある人
数か月だけ働く、特定の時期だけ稼ぎたいといった予定がある場合は、期間を決めて働ける登録型派遣や期間工のほうが合っています。
1つの会社で昇進・管理職を目指したい人
工場の管理職や技術職を目指したい場合、派遣先で昇進する道がない無期雇用派遣では遠回りになります。最初から直接雇用の正社員を目指すか、紹介予定派遣を活用するのが近道です。
無期雇用派遣になるには?2つの方法
無期雇用派遣として働く方法は、大きく分けて2つあります。
無期雇用派遣の求人に直接応募する
いちばんわかりやすいのは、派遣会社が出している無期雇用派遣や正社員型派遣の求人に応募する方法です。書類選考や面接を経て、採用されれば派遣会社と期間の定めのない雇用契約を結びます。その後、派遣会社が紹介する派遣先で働き始めます。
登録型派遣から無期転換ルール(通算5年)で切り替える
登録型派遣で働いている人は、労働契約法第18条の無期転換ルールを使って無期雇用に切り替える道もあります。
無期転換の3つの条件
無期転換を申し込めるのは、次の3つを満たした場合です。
- 同じ派遣会社と有期労働契約を結んでいる
- 契約の更新が1回以上ある
- 通算の契約期間が5年を超えている
通算5年は、2013年4月1日以降に始まった有期労働契約から数えます。条件を満たした人が派遣会社に申し込むと、派遣会社はその申し込みを承諾したものとみなされ、無期雇用に切り替わります。無期転換後の労働条件は、別の定めがない限り直前の有期契約と同じになるため、給与形態などは転換時に確認しておきましょう。
派遣会社の雇用安定措置として無期雇用を打診されるケース
同じ部署で3年間働く見込みがある派遣労働者に対し、派遣会社は雇用安定措置を講じる義務があります。東京都産業労働局のリーフレットでは、その内容として派遣先への直接雇用の依頼、新たな派遣先の提供、派遣元事業主による無期雇用、その他安定した雇用の継続を図るための措置の4つが挙げられています。
3年ルールの期限が近づいたころに、派遣会社から無期雇用派遣への切り替えを打診されるのは、この措置の一つです。受けるかどうかは本人が決められるため、条件を聞いたうえで判断してください。
後悔しないために求人票・面談で確認したいポイント
無期雇用派遣で後悔するかどうかは、入社前にどこまで条件を確かめたかで大きく変わります。求人票と面談で、次の6つは必ず確認しておきましょう。
給与は月給制か、時給制か
無期雇用派遣でも時給制の会社があります。月給制の場合は、基本給と各種手当の内訳、夜勤手当や交替勤務手当が月給に含まれているかどうかを確認してください。
賞与・昇給・退職金の有無と実績
賞与ありと書かれていても、金額や支給月数は会社ごとに違います。昨年度の支給実績、昇給の時期と幅、退職金制度の有無を具体的に聞いておくと、長く働いたときの収入を見通せます。
待機期間中の給与の扱い
待機中は給与を全額支払うのか、休業手当(平均賃金の6割以上)なのかを確認します。あわせて、待機期間が発生したときに次の派遣先が決まるまでの目安も聞いておくと安心です。
勤務地の範囲と転居を伴う異動の有無
派遣先がどの範囲で変わる可能性があるか、転居を伴う異動があるかは、生活に直結します。雇用契約書に勤務地の範囲が書かれているかも確認してください。
寮費・社宅の条件
寮や社宅を使う場合は、寮費、光熱費、入寮時の初期費用、派遣先が変わったときの扱いを確認します。月給が高く見えても、寮費を差し引くと手取りが想定より少なくなることがあります。
正社員登用・直接雇用の実績
将来、派遣先の社員や派遣会社のリーダー職を目指したい場合は、過去の登用実績を聞いてみましょう。実績がある会社ほど、キャリアの道筋が具体的です。
派遣会社ごとの違いを比べたい方は、無期雇用派遣でおすすめの派遣会社を比較した記事も参考にしてください。
無期雇用派遣についてよくある質問
無期雇用派遣を検討している方が気になりやすい疑問をまとめました。
無期雇用派遣のデメリットは何?
主なデメリットは、派遣先や勤務地を自分で選びにくいこと、派遣先で昇進する道が基本的にないこと、時給換算すると登録型派遣より低くなる場合があることです。選考があり入社のハードルがやや高い点や、途中で辞めにくい点も挙げられます。
無期雇用派遣から派遣先の正社員になれる?
なれる可能性はあります。派遣先から直接雇用の申し出があり、派遣会社がそれを認めれば、派遣先の社員になることができます。ただし、無期雇用派遣は派遣先の社員になることを前提にした仕組みではないため、確実になりたい場合は紹介予定派遣を検討してください。
無期雇用派遣の派遣先は断れる?
断ることはできますが、無期雇用派遣では派遣先の紹介が仕事の指示にあたるため、合理的な理由なく断り続けると評価に響くことがあります。通勤時間や体力面など、働くうえで支障がある理由は、早めに担当者へ伝えておきましょう。
無期雇用派遣は社会保険・有給休暇の対象?
対象です。雇用主である派遣会社のもとで、条件を満たせば健康保険や厚生年金、雇用保険に加入します。年次有給休暇も、労働基準法に基づき、勤続期間と出勤率の条件を満たせば派遣会社から付与されます。
無期雇用派遣は未経験・資格なしでもなれる?
なれます。工場の無期雇用派遣では、未経験歓迎や資格不要の求人も珍しくありません。研修制度や資格取得支援がある派遣会社を選ぶと、入社後に経験を積みやすくなります。
まとめ
無期雇用派遣は、派遣会社と期間の定めのない雇用契約を結び、派遣先で働く仕組みです。3年ルールの対象外で、派遣先の仕事が終わっても雇用が続くため、収入の見通しを立てやすくなります。その代わり、勤務地や職場を自分で選ぶ自由は小さくなり、派遣先で昇進する道も基本的にはありません。
やめとけと言われる理由の多くは、条件を確認しないまま入社したことで起きるずれです。月給制かどうか、賞与や待機中の給与の扱い、転居を伴う異動の有無を入社前に確かめておけば、後悔はかなり防げます。
雇用の安定を優先したいなら無期雇用派遣、職場を選ぶ自由を優先したいなら登録型派遣や直接雇用という軸で考えると、自分に合う働き方が見えてきます。気になる求人があれば、条件を確認しながら一歩ずつ比べてみてください。
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