月収20万円の手取り額は？生活水準の目安や収入を増やす3つの方法を解説

月収20万円は、新社会人の方やフリーターから正社員に移るタイミングなど、これからキャリアを築いていく若い世代の方にとって、一つの目安となる金額です。

しかし、20万円から税金や社会保険料が引かれた後の手取り額が、いくらになるのか分からない方も多いでしょう。

また、月収20万円の生活水準を具体的にイメージするのは難しいはずです。

本記事では、月収20万円の手取り額や家族構成別の生活水準の目安を詳しく解説します。

支出を抑えるコツや収入をアップさせる方法も紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。

月収20万円の手取りは16万円が目安

月収20万円の場合、各種税金や社会保険料などが引かれた後の手取り額は、おおよそ16万円です。

ボーナスの合計額を100万円と仮定すると、年間の手取り額は270万円が目安となります。

ただし、配偶者がいる方は配偶者控除が適用されて、独身の方より手取りが増える可能性があります。

より詳しい情報を知りたい方は、以下の公的機関の情報をご確認ください。

参考：国税庁｜所得税の税率

参考：日本年金機構｜厚生年金保険料率および協会けんぽ管掌の健康保険料率

参考：全国健康保険協会｜都道府県毎の保険料率

月収20万円は平均よりも高い？

厚生労働省の「令和6年賃金構造基本統計調査」によると、一般労働者の平均賃金（月額）は約33万4,000円です。つまり、月収20万円は平均より低い水準と判断できます。

次に初任給と比較してみましょう。新規学卒者の初任給（令和4年）は高校卒で約18万1,200円、大学卒で約22万8,500円です。

月収20万円は高卒初任給よりは高かく、大卒初任給よりは低い水準です。

また、業種や地域差はあるものの、20代後半になると学歴を問わず、月収20万円は平均以下の水準になるケースが少なくありません。

参考：厚生労働省｜令和６年賃金構造基本統計調査

参考：厚生労働省｜賃金構造基本統計調査(初任給)

月収20万円の生活水準の目安

月収20万円の生活水準の目安を、以下3つのポイントに沿って詳しく解説します。

• 家賃は5万円～6万円が目安
• 子育て世帯はパートナーにも収入が必要
• 自家用車は購入可能

自身のライフプランと照らし合わせてみましょう。

家賃は5万円～6万円が目安

一般的に、無理なく支払える家賃の目安は、手取りの3分の1程度とされています。

月収20万円の手取り額が約16万円だとすると、家賃の目安は5万円〜6万円です。

5万円〜6万円の予算で部屋を探す場合、都心部ではワンルームや1Kに限定されますが、郊外であれば広い間取りの物件が見つかるでしょう。

なお、勤務している企業に家賃補助制度や社宅制度があれば、物件の選択肢を広げられます。

子育てはパートナーにも収入が必要

月収20万円で家賃が5万円と仮定すると、手元に残る生活費は約11万円です。

一人暮らしであればある程度の生活が可能ですが、結婚して子どもを育てる場合、1人の収入だけでは厳しいかもしれません。

もし、相続した持ち家がある、実家住まいで家賃の負担がないなどの状況であれば、共働きでなくとも子育ては可能ですが、経済的な余裕はないでしょう。

自家用車は購入可能

自家用車を購入する際の予算は、年収の半分程度が目安とされています。

つまり、年収240万円の場合は、車の購入予算は120万円程度になります。

120万円の予算であれば、中古車や軽自動車を購入可能です。

ただし、車を購入した後に駐車場代や車本体の維持費が発生することは忘れてはいけません。

購入前にしっかりと駐車場代・維持費を考慮した資金計画を立てておきましょう。

月収20万円の家族構成別の生活水準

月収20万円の生活水準は、家族構成により異なります。ここでは、以下の家族構成別に生活水準のイメージを解説します。

• 実家暮らし
• 一人暮らし
• 夫婦
• 夫婦と子ども1人

自身の状況と照らし合わせながら、どのような生活が送れるのかをイメージしてみましょう。

実家暮らし

実家暮らしの場合、月収20万円でも比較的余裕のある生活が送れるでしょう。

実家暮らしのメリットは、家賃や水道光熱費などの固定費を抑えられる点です。

実家にお金を入れるとしても、一人暮らしや夫婦で生活するより金銭的な負担は軽くなるのが一般的です。

また、生活費を抑えられる分、貯蓄ができ将来の選択肢を広げられるでしょう。

一人暮らし

一人暮らしの場合、月収20万円でも生活は可能ですが、節約が必要になります。

家賃を6万円とすると、手元に残るお金は10万円程度です。

10万円から食費や水道光熱費などを支払うと、毎月自由に使えるお金は限られます。

そのため、外食を控えたり、無駄な支出を減らしたりする工夫が求められます。

また、計画的にお金を使わないと貯蓄ができないため、収支管理はしっかり行いましょう。

夫婦

夫婦二人で世帯収入が月20万円の場合、生活はかなり切り詰める必要があるでしょう。

趣味や娯楽に使えるお金はほとんどなく、日々生活していくだけで精一杯な経済状況になる可能性があります。

世帯収入が月20万円であれば、自炊中心の食生活を送り、家賃を抑える対策が必要不可欠です。

夫婦と子ども1人

子育てには日常的に発生する費用だけでなく、教育費や医療費もかかります。

夫婦と子ども1人の3人家族で世帯収入が月20万円の場合、生活に余裕はないでしょう。

また、世帯収入20万円で3人が暮らしていくのであれば、貯蓄に回せるお金はほとんどないのが現状です。

突発的な支出が必要になった際に対応できない可能性が高いため、転職や共働きなどで世帯収入を増やすことを検討する必要があります。

月収20万円の税金の目安

月収20万円の場合、所得税は3,000円、住民税は7,000円程度が目安です。

所得税は、収入から各種控除を引いた課税所得に応じて税率が変動します。住民税は、原則として課税所得の10%が一律で課されます。

なお、月収20万円全体に税金が課されるわけではありません。

社会保険料や生命保険料控除などが差し引かれた後の金額（課税所得）で税金が計算されます。

参考：国税庁｜所得税の税率

参考：総務省｜個人住民税

月収20万円で支出を抑える2つのコツ

月収20万円で支出を抑える2つのコツは以下のとおりです。

• 食費を抑える
• 家賃を抑える

月収20万円で生活に余裕を持たせるためには、支出を抑える工夫が必要不可欠です。

それぞれ詳しく解説します。

食費を抑える

食費は比較的コントロールしやすく、節約効果が出やすい項目の一つです。

まずは外食の頻度を減らし、できるだけ自炊中心の食生活を心がけましょう。

また、スーパーでは、特売品や見切り品を積極的に購入したり、食材を無駄なく使い切るよう工夫したりするのも効果的です。

家賃を抑える

毎月の支出の中で大きな割合を占めるのが家賃です。

家賃を抑えられると生活に余裕が生まれるケースは少なくありません。

物件を探す際はどうしても譲れない条件を除いて、できるだけ妥協点を見つけましょう。

例えば、以下の妥協点を見つけると家賃を抑えられます。

• 駅からの距離を少し離す
• 築年数の古い物件を選ぶ
• 少し狭い部屋にする

また、勤務先の家賃補助制度や社宅制度などが利用できる場合は、積極的に活用しましょう。

月収20万円より収入を増やす3つの方法

月収20万円より収入を増やす3つの方法は、以下のとおりです。

• 昇進で給与をアップする
• 副業を始める
• 転職する

上記の方法は、それぞれメリット・デメリットや実現までの期間が異なります。

自身の状況や目標に合わせて、最適な方法を選択しましょう。

昇進で給与をアップする

まず、現在勤務している会社で、昇進・昇格して給与をアップさせる方法が挙げられます。

自社の昇給・昇進の基準を正確に把握しましょう。

昇給・昇進の基準を把握したうえで、必要なスキルや経験を積むための具体的な目標を設定し、日々の業務に真摯に取り組むのが大切です。

また、上司や人事担当者に、自身のキャリアアップや給与アップに対する意欲を伝え、相談するのも有効です。

ただし、昇進や昇給までには時間がかかる場合が多く、必ずしも希望通りになるとは限りません。

もし、現職での給与アップが見込めない場合は、副業や転職などの選択肢を検討するのがおすすめです。

副業を始める

現在の仕事を続けながら、空いた時間を利用して副業を始めるのもよいでしょう。

近年では、一般的なアルバイト以外にも、以下の副業で収入を得られるようになりました。

• フードデリバリー
• Webライティング
• データ入力
• プログラミング

ただし、副業に時間と労力を費やしすぎると、本業に支障が出たり、体調を崩してしまったりするリスクがあるため注意が必要です。

また、無用なトラブルを避けるために、副業を始める前は必ず就業規則を確認し、必要な手続きを踏みましょう。

転職する

近い将来に給与アップが見込めない場合は、転職を検討するのも一つの選択肢です。

転職を成功させるためには、在職中に転職活動を進めるのがおすすめです。

転職活動の際は、企業の求人情報サイトやハローワークだけでなく、民間の転職エージェントを利用しましょう。

転職エージェントでは、以下のサポートが提供されています。

• 非公開求人の紹介
• 履歴書・職務経歴書の添削
• 面接対策

また、転職エージェントとやり取りをする中で、自分では気づけなかったキャリアパスが描けるケースも少なくありません。

月収20万円の手取りについてよくある質問

月収20万円の手取り額はいくら？

月収20万円の手取り額は、税金や社会保険料を差し引いておよそ16万円前後が目安です。扶養状況や保険料率によって多少の差があります。

詳しくは月収20万円の手取りは16万円が目安で解説しています。

月収20万円で一人暮らしは可能？

節約を心がければ、月収20万円でも一人暮らしは可能です。家賃を5〜6万円に抑え、食費や光熱費を管理することで生活できます。

詳しくは月収20万円の生活水準の目安で解説しています。

月収20万円で車を持つことはできる？

年収の半分を目安にすれば、中古車や軽自動車であれば購入可能です。ただし、維持費や駐車場代なども考慮する必要があります。

詳しくは月収20万円の生活水準の目安で解説しています。

月収20万円から収入を増やす方法は？

収入を増やすには、昇進を目指す、副業を始める、転職するなどの方法があります。スキルアップや資格取得も収入増加に有効です。

詳しくは月収20万円より収入を増やす3つの方法で解説しています。

まとめ

月収20万円の手取り額は約16万円で、生活は可能な水準ですが、余裕を持った暮らしには工夫が必要です。

家賃の目安は5〜6万円で、一人暮らしは節約すれば成り立ちますが、家族がいると共働きが前提になります。

支出を抑えるには家賃や食費の見直しが重要。収入を増やすには昇進、副業、転職などが効果的です。