製造業に役立つ資格を難易度別に紹介！工場で必要なおすすめ資格を解説します

製造業には数多くの資格があります。

その種類も「技能講習の資格」「民間資格」「国家資格」などと多岐にわたり、何から取得すれば良いのか混乱しがち。

どうせなら効率よく、ピンポイントの資格を取得したいものです。

この記事では、各資格についての難易度はもちろん

• 取得に必要な期間
• 費用目安
• 昇給例

などを表にまとめて、一目で分かりやすく解説していきます。

特に最短で2日から取得可能な講習系資格は、すぐに現場で使えて給与アップに直結します。

ぜひ参考にしてみてください。

難易度：低（取得しやすい）

資格名	区分	取得期間	取得条件	費用目安	昇給例	資格詳細
★人気★フォークリフト運転技能講習	講習	2〜4日	満18歳以上	約2〜5万円	時給＋50〜150円 月＋5,000〜2万円	荷物運搬作業に必須の技能講習。
★人気★玉掛け技能講習	講習	3日	満18歳以上	約2〜4万円	月＋5,000〜1万円	クレーン作業の際に荷を吊るすための資格。
ガス溶接技能講習	講習	2日	満18歳以上	約1.5〜2.5万円	月＋5,000〜1万円	金属をガスで溶かして接合する作業に必要。
安全衛生推進者養成講習	講習	2日	特に制限なし	約1〜2万円	月＋1,000円～5,000円	小規模職場の安全衛生活動の担当者向け。
小型移動式クレーン運転	講習	3〜4日	満18歳以上	約3〜5万円	月＋5,000〜1万円	5t未満のクレーン操作が可能に。
有機溶剤作業主任者講習	講習	2〜3日	満18歳以上	約1〜2万円	月＋5,000〜1万円	揮発性溶剤を扱う作業現場で必須。
QC検定（3級）	民間資格	約1ヶ月	誰でも受験可能	約4,000円	月＋1,000円～5,000円	品質管理の基本を証明する民間検定。

※昇給例は、資格手当の相場です。雇用企業により変動します。

難易度：中（ある程度の学習が必要）

資格名	区分	取得期間	取得条件	費用目安	昇給例	資格詳細
★人気★電気工事士（第2種）	国家資格	約2〜3ヶ月	年齢・学歴不問	約3〜7万円	月＋2,000円～5,000円	電気配線工事が行える人気の国家資格。
★人気★機械保全技能士（2級）	国家資格	約1万円＋講座代	実務経験2年以上	約1万円＋講座代	月＋5,000〜1.5万円	工場設備の保守・点検スキルを証明。
クレーン運転士	国家資格	約1週間＋試験	満18歳以上	約5〜7万円	月＋1,000円～8,000円	大型クレーン操作に必要な国家資格。
ボイラー技士（2級）	国家資格	約1ヶ月	満18歳以上	約2〜3万円	月＋1,000円～3,000円	高圧ボイラーの管理・運転に必要。
第一種衛生管理者	国家資格	1〜2ヶ月	高卒以上＋実務経験3年以上	約7,000円＋教材費	月＋1,000円～3,000円	労働安全衛生法で義務付けられた安全責任者資格。
QC検定（2級）	民間資格	約2〜3ヶ月	誰でも受験可能	約5,000円	月＋3,000円～5,000円	品質管理の応用力を問う民間資格。
衛生工学衛生管理者	国家資格	数ヶ月	大卒（理系）＋実務経験1年以上などの条件あり	約1万円前後	月＋1,000円～3,000円	粉じん・有機溶剤など特殊環境向け衛生資格。

※昇給例は、資格手当の相場です。雇用企業により変動します。

難易度：高（専門性が高い）

資格名	区分	取得期間	取得条件	費用目安	昇給例	資格詳細
★人気★電気主任技術者（第3種）	国家資格	6ヶ月〜1年	誰でも受験可能	約3〜10万円	月＋１万円～	工場やビルの電気管理責任者に必要な国家資格。
★人気★機械保全技能士（1級）	国家資格	半年〜1年	実務経験7年以上または2級取得＋経験年数	約2万円	月＋2〜5万円	高度な保守スキルを持つ証明。管理職候補向け。
エネルギー管理士	国家資格	6ヶ月〜1年	実務経験3年以上または関連資格所持者	約2〜5万円	月＋1.5万円～	エネルギー使用量の多い事業所に必要な専門職。
技術士補（機械など）	国家資格	約1年	指定学科卒（理工系大卒）、技術士1次試験に合格すること	約2万円	月＋２万円～	国家資格「技術士」の前段階。理系大卒者向け。

※昇給例は、資格手当の相場です。雇用企業により変動します。

どうせ資格を取得するのなら国家資格がいい！受験資格や難易度は？

 製造業で役に立つ国家資格については前述のとおりですが、「国家資格だけにハードルが高いのでは？」そう考えるのは通常のことだと思います。

では改めて国家資格取得の難易度について解説します。  

衛生管理者

特定業種に限定される第2種と、有毒業務を含むすべての業種に携わる第１種があります。受験資格は下記のとおりです。

1. 大学、高等専門学校卒業者で、1年以上の実務経験者
2. 高校卒業者で、3年以上の実務経験者
3. 10年以上の実務経験者

合格率は第1種が45％、第2種で55％ほどです。  

電気工事士

受験資格はとくにありません。

ただ、第一種電気工事士の場合は電気工事士としての実務経験が必要となります。

合格率は、一種筆記47％、一種技能64％、二種筆記58％、二種技能70％となっています。  

機械保全技能士

特級・1級・2級・3級の等級があり、3級以外は実務経験が必要になります。合格率は特級で約20％、1級で約16％ととてもハードルが高いですが、3級なら約66％となっています。  

電子機器組立技能士

特級から3級まであり、3級以外は実務経験が必要です。

学科試験と実技試験があり、実技試験ではプリント配線板への電子部品のハンダづけ作業が主に出題されます。

合格率は特級：25・7％、1級：43.5％、2級：44.6％です（3級は公開されていませんが、合格率は高いです）。  

危険物取扱者

危険物は多岐に渡るため、危険物取扱者の資格は甲種・乙種・丙種の3種に分かれています。

さらに乙種では第1類～第6類に細分化されています。試験はマークシート方式で、合格率は40％程度だそう。

甲種については、下記のとおり受験資格が必要です。乙種・丙種については不問です。

• 大学等において化学に関する学科等を修めて卒業した者
• 乙種危険物取扱者免状の交付を受けた後、危険物製造所等における危険物取扱いの実務経験が2年以上の者
• 乙種危険物取扱者免状を有する者で、「第1類または第6類」「第2類または第4類」「第3類」「第5類」の4種類以上を取得している者
• 修士・博士の学位を有する者

国家資格ではないけれど、あわせて取得したいCAD資格

製造の商品開発に欠かすことができないのがCAD資格です。

建築・土木・機械・電気業界で広く活用されてきましたが、最近ではアパレルメーカーでも導入する企業が増え、さまざまな現場で重宝されます。

CADオペレーターは、製造の経験を活かせますし、基本的に座り仕事になります。

将来を見据えて取得しておいて損はないでしょう。

CAD資格 人気ランキング

資格名	難易度	取得期間	取得条件	費用目安	年収例	特徴
★人気★CAD利用技術者試験 2級	低	約2〜4週間	誰でも受験可能	約7,700円＋教材費	300万円～500万円	最も汎用的な2D CAD資格。製造・建設・設計など幅広く活用。
3次元CAD利用技術者試験（2級・準1級）	中	約1〜3ヶ月	誰でも受験可能	約8,000〜10,000円＋模擬ソフト代	300万円～500万円	SolidWorksやFusionなど3DCAD操作のスキル証明。製造業に強い。
AutoCAD技能認定試験（上級）	中	約1〜2ヶ月	誰でも受験可能	約6,600〜15,000円（レベルによる）＋講座費用	300万円～500万円	AutoCAD実務に即したスキル評価。製造・建設業務で使える。

※年収は相場です。経験年数や上位資格の取得でさらに年収アップを狙うこともできます。

資格は働きながら取得するのがおすすめ

資格はハローワークや職業訓練校で無料〜格安で学べることもありますが、多くの企業では資格取得に対する費用補助や報奨金制度を設けています。

そのため、仕事と両立しながら取得すれば収入を得つつスキルアップが可能です。

会社の支援制度を上手に活用すれば、時間もコストも抑えて効率よくキャリアアップが目指せます。

まとめ

資格取得は大きなものを１つ目指すより、初級からこつこつステップアップが正解です。

資格選びに迷ったら、まずは「フォークリフト」「玉掛け」「ガス溶接」などの初級技能講習から始めましょう。

これらは最短2日で取得でき、現場で即戦力として活かせるうえ、給与アップにも直結します。

現場経験を積みながら、中級・上級の国家資格や民間資格へと段階的にスキルアップしていくことで、キャリアの幅が広がります。

会社の支援制度も活用しながら、将来を見据えて自分に合った成長ルートを見つけましょう。