塗装工とは?仕事内容や年収相場、3つのメリット・デメリット・向いている人まで詳しく解説
- 工場求人の仕事内容
2025/05/27

塗装工は建築物や車両(自動車)、家電など、さまざまな物に塗料を施す専門職です。
経験やスキルが重視される実力主義の仕事ですが、未経験からでも挑戦しやすい職種として人気があります。
本記事では、塗装工の仕事内容や年収相場、仕事の流れなどを詳しく解説します。
塗装工に向いている方の特徴も紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
プライム上場グループで
正社員になりませんか?
ウィルオブでは、製造系の塗装工をはじめ、溶接や金属加工など、取引先企業様でご活躍いただく技術正社員を募集しています。学歴や資格は必要ありません。研修が充実しているので未経験の方も安心してスタートできます!応募前に電話相談も可能なので気になる方は下記ボタンからぜひチェックしてみてください。
TOPICS
塗装工とは?

塗装工とは建築物や自動車など、さまざまな対象物に塗料を施す専門職です。
塗装の仕事は単に色を塗って美観を整えるだけでなく、対象物を雨風や紫外線などから保護するなど、耐久性を向上させる重要な役割を担います。
また、塗装工は未経験でも挑戦しやすく、こつこつ積み上げた経験年数とスキルが評価されていく職種なので、長い目で手に職をつけたいと考える方々に人気があります。
働き方も多様で、正社員として企業に勤務するほか、経験を積んで個人事業主として独立する方も少なくありません。
塗装工の主な仕事内容
塗装工の仕事は、大きく分けて以下の2種類が存在します。
- 製造系の塗装工
- 建築系の塗装工
両者は塗装する対象や作業環境、求められる技術が異なります。
それぞれの仕事内容を詳しく見ていきましょう。
製造系の塗装工

製造系の塗装工は生産現場で、さまざまな工業製品に塗装を施す仕事です。
主な仕事内容は下表のとおりです。
種類 | 内容 |
---|---|
板金塗装 | 主に自動車の外装(ボディなど)で、へこみや傷を板金加工で修復し、パテ埋め・研磨後に塗装を施して仕上げる作業 |
自動車部品の塗装 | バンパー、ホイール、ドアパネルなどの部品をスプレーや塗装ロボットで塗る作業 |
金属製品の焼付塗装 | 金属部品に粉体塗料などをスプレーで吹き付け、熱で焼き付ける塗装方法 |
家電製品の塗装 | エアコン、冷蔵庫、電子レンジなどの外装パネルを塗 |
プラスチック製品の塗装 | 化粧品のケース、家電の部品、車の内装部品など、樹脂素材に塗装する作業 |
防錆塗装(大型製品・鉄構材) | 橋梁部品、建設機械、鉄骨などの大型部材に、防錆用の塗料を塗る |
木材塗装(家具・建材など) | 住宅用の床材、建具、壁パネル、家具などの木材に対して、着色や保護を目的とした塗料を塗る作業 |
製造系の塗装作業の中でも特に知られているのが「板金塗装」で、自動車の修理や外装仕上げに広く用いられています。
近年の製造現場では、ロボットアームによる自動塗装や機械化されたライン作業が導入されています。
自動化されている現場では、機械オペレーションに近い塗装業務もあり、作業全体において必ずしも、体力が求められるわけではありません。
一方で、製品の種類や素材、仕上がりの品質によっては、スプレーガンを使った手作業による精密な塗装、塗料の調合、焼付乾燥など、専門的な技術と知識が求められる工程もあります。
製造系の塗装工は、一般の社員から、工程管理者や生産管理者、事業所長など昇格・昇進を通じてキャリアを広げていきます。
建築系の塗装工
建築系の塗装工は、主に建物に関する塗装工事を担当します。
新築の建物はもちろん、既存の建物のリフォームや改修工事の際に、外壁や屋根、内壁、天井などに塗装を施します。
塗装の目的は建物の美観を向上させるだけでなく、雨水や紫外線による劣化を防ぎ、建物の耐久性を高めることです。
また、塗料の種類によっては、断熱効果や防水効果などの付加価値を与えることもあります。
塗装工の一般的な勤め先は以下のとおりです。
- 住宅メーカー
- 建設会社
- 専門の塗装工務店
経験を積み技術を磨けば独立することも可能です。
近年ではリフォーム・リノベーション市場が拡大しており、建築塗装工の需要は今後も安定して続くと見込まれています。
塗装工の仕事の流れ【4STEP】
塗装工の仕事は準備から仕上げまで、いくつかの工程を経て進められます。
一般的な塗装工事の流れは、下表のとおりです。
工程 | 内容 |
---|---|
1.色彩設計 | 建物や部品の美観と調和を考慮しながら、素材や用途に応じた最適な塗料の色を決定する |
2.施工計画書作成 | 工程や作業手順などを計画し、工事の進行をスムーズにするための資料を作成する |
3.塗装作業 | 下地処理から始まり、塗装箇所に適した道具(ハケ・スプレーなど)で塗装を実施する 中塗り・上塗りの工程を経て仕上げを行う |
4.塗膜検査 | 塗装後に塗膜の厚さや仕上がり状態を検査する |
塗装をして終わりではなく、機能性や品質を確保するために塗膜検査を実施するのも塗装工の仕事です。
塗装工の年収相場
塗装工の全国平均年収は425万円です。(2025年5月現在)
都道府県別に見ると、もっとも年収が高いのは東京都で475万円、もっとも低いのは沖縄県で349万円です。
年代別では、20代前半の平均年収は330万円からスタートし、40代前半でピークの544万円に達します。ただし、50代以降はやや下降する傾向が見られます。
企業規模によっても年収には差があり、従業員1,000人以上の大企業では平均年収が約573万円であるのに対し、10人から99人の中小企業では約406万円と、従業員数による年収の乖離がある現状です。
参考:求人ボックス


塗装工になる3つのメリット
塗装工の仕事のメリットは主に以下の3つです。
- 経験や実力で評価される職種で技術の成長を感じられる
- 成果が目に見えて達成感が大きい
- 将来性が高く業種によっては独立の道も開ける
塗装工の仕事に関心がある方は、どのような魅力があるのか確認していきましょう。
経験や実力で評価される職種で技術の成長を感じられる
塗装工は学歴や年齢に関わらず、実力と経験が重視される職種です。
未経験からでも挑戦しやすく、日々の現場で経験を重ねるごと塗装技術は向上させられるでしょう。
また、素材や形状によって異なる塗装技術を習得し、応用力を身につけると、より複雑で難易度の高い仕事にも対応できます。
自身の技術の成長が、評価や収入にダイレクトに反映されるため、大きなやりがいと成長を実感できます。
成果が目に見えて達成感が大きい
自身の仕事の成果が目に見える形で残り、達成感を得られる点も塗装工の魅力です。
塗装工の仕事では、古くなった建物の外壁や傷ついた自動車のボディなどが、自分の手によって美しく生まれ変わる様子を目の当たりにできます。
劣化した状態から新築同様の輝きを取り戻したり、お客様のイメージ通りの色彩に仕上がったりした際には、お客様や周囲の方々から直接感謝の言葉をもらえることも少なくありません。
将来性が高く独立の道も開ける
塗装工の仕事は将来性が高く、経験を積んでいけば独立開業できるのも魅力です。
建物や自動車などは、時間の経過とともに必ず劣化するため、定期的な修繕や塗り替えなどのメンテナンス需要が安定して存在します。
近年では、新築だけでなくリフォーム・リノベーションの市場も活発であり、塗装の需要は今後も継続的に見込まれます。
また、塗装作業はAI(人工知能)やロボットに代替されにくい分野であるため、スキルを身につければ、景気や社会動向に左右されにくい安定したキャリアを築けるでしょう。
塗装工になる3つのデメリット
塗装工の仕事には大変な側面も存在します。
塗装工になる上で考慮しておきたいデメリットは、以下の3つです。
- 肉体的負担が大きく体調管理が難しい
- 下積み期間が長く収入面に課題がある
- 上下関係が厳しく精神的ストレスがある
上記のデメリットを理解した上で、自身に合った仕事かどうかを判断するのが大切です。
肉体的負担が大きく体調管理が難しい
塗装工の仕事は、肉体的な負担が大きい点がデメリットです。
作業中は立ち仕事が中心で、中腰の姿勢や高所での作業も多いため、人によっては腰痛を抱える場合があります。
また、建築系の塗装工の場合は、屋外での作業が多いため、夏の暑さ・冬の寒さに辛さを感じるケースも少なくありません。
その他、重い塗料缶(一斗缶で約18kg)を持って足場の悪い場所を移動したり、足場を昇り降りしたりする作業も日常的に発生します。
塗装工として長く働いていくためには、日々の体調管理と体力維持のための自己管理が大切です。
下積み期間が長く収入面に課題がある
塗装工として一人前になるには、ある程度の下積み期間が必要です。
下積み期間は収入面で不安を感じることも少なくありません。
建築系の塗装工の場合、最初は見習いとして先輩職人の指導のもと、清掃や養生など補助的な作業から始めるケースが多く、専門的な技術を習得して給与に反映されるまでには時間がかかります。
また、自分の下に後輩がつき指導する立場になり、社内でのポジションが上がるまでは、なかなか評価してもらえないと感じることもあるでしょう。
上下関係が厳しく精神的ストレスがある
業種によって差がありますが上下関係はデメリットのひとつです。
建築塗装は職人文化が色濃く残っており、上下関係が厳しい傾向があります。
指導がきつい現場もあり、人間関係による精神的ストレスを感じやすい職種です。
特に新人や若手のうちは、精神的な負担が大きくなる場合もあるでしょう。
一方、製造塗装は工場内での作業が中心で、マニュアルや教育体制が整っているため、比較的フラットな人間関係が築かれやすく、精神的負担は少ない傾向にあります。
塗装工に向いている人の5つの特徴
塗装工の仕事は誰にでもできるわけではなく、以下のように適性や能力が求められます。
塗装工に向いている方の特徴は、以下の5つです。
- 体力に自信がある
- 繊細で丁寧な作業ができる
- コツコツと地道な努力を継続できる
- 汚れやにおいに対する耐性がある
- 人と協力しながら作業することが苦でない
上記の特徴にあてはまる方は、塗装工として活躍できる可能性が高まります。
体力に自信がある
塗装工の仕事は立ち作業や中腰での作業が多く、時には重い塗料缶を運んだり、不安定な足場を昇り降りしたりする必要があるため、相応の体力が求められます。
建築塗装の場合、季節によっては過酷な環境下で仕事をこなさなければなりません。
また、日曜のみが休日の勤務体系の会社も多いため、日々の疲れを溜め込まないための継続的な体調管理が不可欠です。
繊細で丁寧な作業ができる
塗装の仕上がりは、建物や製品の美観を大きく左右するだけでなく、防水性や耐久性など機能面にも深く関わってきます。そのため、塗装作業には高い精度と丁寧さが必要です。
また、下地処理のように一見目立たないような地味な工程でも、手を抜かず丁寧に取り組む姿勢も求められます。
手先が器用で細かな作業を集中して丁寧に行える方、完璧な仕上がりを追求する探求心を持っている方は、塗装工に適性があります。
コツコツと地道な努力を継続できる
塗装工の技術は、一朝一夕で身につくものではありません。
建築塗装の場合、未経験から始めれば最初のうちは見習いとして地道な作業(下積み)からスタートするのが一般的です。
先輩職人の仕事を見て学び、実際に手を動かして経験を積む中で、少しずつ技術を習得していきます。
また、成果がすぐに出るわけではなく、目に見える形で評価されるまでには、時間がかかることもあります。
そのため、焦らずにコツコツと地道な努力を継続し、着実にスキルアップしていくのを楽しめる方は、塗装工に向いているでしょう。
汚れやにおいに対する耐性がある
塗装作業では、どうしても塗料が手や衣服に付着したり、作業場所が汚れたりすることが日常的に発生します。
また、シンナーやアセトンなど有機溶剤特有の強いにおいの中で作業をしなければならないこともあります。
もちろん、作業中はマスクや手袋を着用しますが、それでも完全には防ぎきれない場合も少なくありません。
そのため、ある程度の汚れやにおいに対して抵抗がない、気にしない性格である方に向いている職種です。
人と協力しながら作業することが苦でない
塗装工は一人で黙々と作業したいタイプの方よりも、他人と協力しながら一つの目標に向かって作業を進めるのが好きな方に向いている仕事です。
塗装の仕事では、連携を取りながら、チームで仕事を進めるのが基本です。
そのため、円滑なコミュニケーション能力や協調性が求められます。
また、職場によってはお客様と直接やり取りをする機会もあるため、丁寧な言葉遣いや相手の意向を汲み取る気配りも求められます。
塗装工の将来性
建築塗装の場合
建築塗装は今後も安定した需要が見込まれる職業です。
新築住宅の着工件数は減少傾向にあるものの、住宅や建物のリフォーム・リノベーション、定期的なメンテナンスによる外壁や内装の塗り替え需要は今後も継続します。
塗装は経年劣化が避けられず、美観や建材の保護のために定期的な補修が不可欠です。
さらに、職人の高齢化により若手の人材が不足しており、技術を身につけた若い塗装工には将来的に現場の中核を担うことが期待されます。
キャリアアップや独立のチャンスも多い分野です。
製造塗装の場合
製造塗装も、長期的に安定した需要が期待される分野です。
特に自動車、家電、金属製品など、さまざまな工業製品の製造工程において塗装は欠かせない工程です。
製品の品質保持や外観向上のため、塗装は定期的に更新・改良が必要で、技術者としての役割は重要です。
また、製造業全体でも技能者の高齢化が進んでおり、若い世代の担い手が不足しています。
熟練技術を身につけた若手の塗装工は重宝され、昇進や専門職へのキャリアアップのチャンスも広がっています。
塗装工で活かせる資格
結論、塗装工になるために必要な学歴や資格はありません。
ただしキャリアアップを目指す際に、あると役立つ資格がいくつかあります。
代表的なものが、塗装技能士(とくに2級・1級)。こちらは建築・製造ともに持っていると有利な資格です。
また建築塗装工の場合は下記の表の資格も持っていると有利です。
外壁診断士・外壁劣化診断士 | 建物の外壁の劣化状況を診断するスキルを認定する資格 |
リウォール診断士 | リフォーム時の外壁塗装に関する専門知識を認定する資格 |
外壁塗装マイスター | 塗装工事全般の高度な知識と技術を持つことを示す資格 |
窯業サイディング塗替診断士 | 窯業系サイディング外壁の塗り替えに関する専門知識を認定する資格 |
参考:塗装技能士|職種を調べる・探す | 技能振興ポータルサイト「技のとびら」
塗装工についてよくある質問
塗装工とはどんな仕事ですか?
塗装工は、建物や機械、製品の表面に塗料を塗る仕事です。建築塗装では住宅やビルの外壁・内装などを、製造塗装では自動車部品や金属製品などを対象とします。美観の維持や素材の保護を目的としています。
詳しくは塗装工の主な仕事内容で解説しています。
塗装工になるために資格は必要ですか?
塗装工になるために資格は必須ではありませんが、国家資格の塗装技能士などを取得することで技術の証明やキャリアアップに有利になります。
詳しくは塗装工で活かせる資格で解説しています。
塗装工の仕事はきついですか?
仕事内容によります。建築塗装では屋外での作業や上下関係が厳しい職場もあり、体力や精神的なストレスが伴う場合があります。製造塗装は工場内での作業が多く、比較的安定した環境で働ける傾向があります。
詳しくは塗装工になる3つのデメリットで解説しています。
塗装工の将来性はありますか?
塗装工は今後も安定した需要が見込まれる職業です。建物のメンテナンスや製造業における塗装工程は欠かせないため、経験を積んだ塗装工は長く活躍できる仕事です。
詳しくは塗装工の将来性で解説しています。
塗装工に向いている人の特徴は?
細かい作業が得意な人や、コツコツ作業をこなせる人、手先が器用な人に向いています。また、ものづくりが好きな方や集中力のある方にも適しています
詳しくは塗装工に向いている人の5つの特徴で解説しています。
塗装工への転職は業界特化の人材サービスの利用がおすすめ!
未経験から塗装工を目指す場合や、よりよい条件の職場へ転職したいと考えている場合は、業界に特化した求人サイトや人材サービスを活用するのがおすすめです。
ハローワークでも塗装工の求人を見つけられますが、人材紹介サービスを利用すれば、自身のスキルや希望条件にあった職場を効率的に見つけられます。
特に建設業界や製造業に特化した転職エージェントであれば、業界の動向や企業情報に詳しいだけでなく、非公開求人を紹介してもらえる可能性もあります。
また、転職活動全般にわたるサポートを受けられるため、一人で転職活動を進めるよりも成功率を高められるでしょう。
塗装工についてのまとめ
塗装工は未経験からでも挑戦でき、実力次第で高収入を目指せる、手に職をつけたい方におすすめの職種です。
体力に自信のある方や細やかな作業を得意とする方には、塗装工の適性があります。一方で、下積み期間が長い点や上下関係が厳しい職場が少なくない点は、念頭に置いておくべきです。
もし、塗装工の仕事を検討しているのであれば、人材紹介サービスを活用しましょう。
プライム上場グループで
正社員になりませんか?
ウィルオブでは、製造系の塗装工をはじめ、溶接や金属加工など、取引先企業様でご活躍いただく技術正社員を募集しています。学歴や資格は必要ありません。研修が充実しているので未経験の方も安心してスタートできます!応募前に電話相談も可能なので気になる方は下記ボタンからぜひチェックしてみてください。
Related article関連記事
-
2025/04/30
【5月更新】軽作業に強いおすすめ派遣会社15社を比較!人気の仕事や軽作業のメリット・デメリットも紹介
-
2025/05/01
【5月更新】製造業・工場に強いおすすめ転職サイト・転職エージェント15選!選び方や登録の流れも解説
-
2025/04/28
製造業は女性が働きやすい?おすすめの工場と女性が働くメリット
-
2024/12/27
工場勤務の正社員はきつい?その理由や魅力、最適な求人の見つけ方を紹介
-
2025/01/22
工場での「検査」の仕事ってどんな事をするの?仕事内容ややりがいも紹介
-
2025/03/03
倉庫内作業はきつい?具体的な仕事内容や職場環境もご紹介
-
2025/04/21
製造業に役立つ資格を難易度別に紹介!工場で必要なおすすめ資格を解説します
-
2025/03/03
検品の仕事はキツイって本当!?仕事内容のほかメリットデメリットも紹介