金属加工の仕事はきつい？ そう言われる理由や仕事内容、向いている人を解説

金属加工は機械をつくる上で欠かせない仕事です。 

電子部品や自動車部品など多業界で必要とされます。 

この記事では金属加工の仕事内容や、きついと言われる理由、向いている人などを紹介します。 

金属加工はどんな仕事をするの？ 

ひとくくりに金属加工と言えど、その仕事の種類は多岐に渡ります。 

ここでは、金属加工の種類について詳しく解説します。 

金属加工とは？ 

金属加工とは、製品をつくるための材質となる金属を加工する工程全般を指します。 

金属加工の種類は大きく分けて下記２つがあります。

01, 形をつくる金属加工 

棒材・板材もしくは溶けた金属などを加工して製品の形をつくる 

02, 性質を変化させる金属加工 

金属に熱などを加えさびにくくする、または硬度あげるなど 

形をつくる金属加工

形をつくる金属加工の種類は以下の４つに分けられます。

• 機械加工
• 塑性加工
• 鋳造
• その他

それぞれの金属加工の特徴を詳しく説明していきます。

機械加工

金属の機械加工には３つの方法があります。

切削加工

工作機械を用いて、不要な部分を切断したり、穴をあけたりして目的の形状に加工します。

金属の機械加工の中では代表的な加工方法で求人数としても多い傾向です。

旋盤加工やフライス加工なども切削加工に含まれます

研削加工

砥石を回転させ被削材に当て表面を削ることで目的の形状に仕上げる加工です。

切削加工と似ていますが研削加工より精度が高くなります。

特殊加工

切削加工にも、研削加工にも該当しない機械加工です。

数多くの種類がありますが、レーザー加工や放電加工が広く知られています。

レーザー加工は、レーザー光から発生する熱で材料を溶かしたり蒸発させて加工します。

放電加工は、電圧を利用して発生する熱で材料を溶かして加工します。

塑性加工

金属の塑性加工には３つの方法があります。

プレス加工

板状の金属に金型を押し当てることで、形成したりカットしたりする加工です。

家電製品から車のボディ外板まで幅広く使われています。

鍛造

ハンマーなどで金属を叩いたり、圧縮したりする加工方法です。

叩いたり、圧縮することで金属の強度があがります。

その特徴を利用して、スパナやエンジン部品など強度が必要な製品に使われています。

転造

棒状の加工物をダイスと呼ばれる工具を押し当てて変形し、成形する加工です。

加工する金属素材を転がしたり回したりしながら成形します。

ボルトやネジなどが主な製品となります。

その他

機械加工、塑性加工に当てはまらない加工も複数あります。

比較的に新しい加工方法として下記２つがあります。

粉末冶金

金属の粉末を金型に入れて、押し固め焼結することで決められた形状に仕上げる加工です。

自動車のエンジン部品や、トランスミッション部品、ステアリング部品などに使われています。

金属3Dプリンター

パソコンで作成した３Dデータをもとに金属材料の層を積み重ねることで立体的な製品を造形する加工です。

ロケットエンジンの部品や、ジェットエンジンの燃料噴射ノズルなどの製品に使われています。

性質を変化させる金属加工

性質を変化させる金属加工の種類は以下の２つに分けられます。

• 熱処理
• 表面処理

それぞれの金属加工の特徴を詳しく説明していきます。

熱処理

熱処理によって組織を変化させ特性を引き出せるのが金属の特徴です。

代表的な熱処理は、焼入れ・焼戻しです。

日本刀制作の過程などで広く知られています。

硬くて丈夫な金属をつくるためにセットで使われる加工で、自動車部品や機械工具など幅広い製品に使われています。

表面処理

表面処理には２つの方法があります。

めっき

加工物の金属の表面に、他の金属で薄く覆う処理をする加工です。

表面を硬くする、錆の発生を防ぐなど、様々な機能を持たせることができます。

自動車部品から家庭用品まで幅広く使われています。

化学処理

加工物の金属の表面に化学反応を起こすことで被膜を形成し表面を処理する加工です。

めっき同様、錆の発生を防いだり、金属の腐食を防ぐような付加価値を高める目的で使われます。

金属加工の仕事がきついと言われる理由

金属加工の仕事がきついと言われる理由は下記５つです。

• 体力が必要なのがきつい
• 集中力が求められるのがきつい
• 繊細な作業が多いのがきつい
• 働く環境がきつい

それぞれの理由について詳しく解説します。

体力が必要なのがきつい

金属加工の仕事は、基本的に立ち仕事です。

扱う製品によっては重量物の運搬を求められることや、重い工具を使用する作業もあります。

体力に自信がない方にとっては負担に感じることもあるでしょう。

自身の体力と相談しながら、どの程度なら許容できるか見極めて、仕事を選ぶことが必要です。

集中力や緊張感を求められるのがきつい

金属加工の仕事の多くは、機械を使用します。

少しのミスが大きな事故やケガに繋がることもあります。

マニュアルは完備されているものの、やはり作業者の集中力や緊張感は欠かせません。

長時間ルールや手順を守って作業をすることにストレスに感じる方にとってはきついと感じることもあるかもしれません。

繊細な作業が多いのがきつい

金属加工は航空機や自動車などの製品を扱うことが多い仕事です。

製品のサイズや形状が正確でなければいけません。

小さな誤差も出さないような精度の高い作業が求められます。

働く環境がきつい

金属加工の仕事は、音や振動、粉塵など、一般的なオフィス業務とは異なる環境です。

面接の際に実際の職場を見せてもらうなど、事前に環境の確認はしておいたほうが良いでしょう。

扱う製品によって環境は大きく異なりますので、情報だけで判断するのではなく実際に体感してみるのが大切です。

金属加工の仕事に向いている人

金属加工の仕事に向いている人は下記５つの特徴がある人です。

• 手先が器用な人
• 汚れが気にならない人
• あまり人と話したくない人
• 単調な作業が好きな人

それぞれの理由について詳しく解説します

手先が器用な人

金属加工では小さな部品を扱うことが多くあります。

そういった細かい加工は、手先が器用な方が求められます。

航空機や車などに要いられる製品を扱う求人が多く、精度も求められるので、細かい仕事にイライラしてしまうような方には向きません。

汚れが気にならない人

金属加工の仕事は、金属の破片や粉などで、汚れることが多い仕事です。

汚れた機械や工具を触る機会も多いので潔癖症の方には向いていません。

あまり人と話したくない人

金属加工の仕事は、黙々作業が中心です。

接客業や営業職のような高度なコミュニケーション能力を求められることは、まずありません。

対人関係を気にせず働きたい方には快適な環境と言えます。

単調な作業が好きな人

金属加工は、同一の加工を繰り返し行うことが基本です。

集中力が求められる一方で、マルチタスクになることはありません。

単純作業や苦にならない人、自分のペースで働きたい人に向いています。

金属加工の仕事についてのまとめ

金属加工は機械製作に欠かせない重要な仕事です。

電子部品や自動車部品など多くの業界で必要とされています。

金属加工は「形をつくる加工」と「性質を変化させる加工」に大別され、そこには多くの仕事が存在します。

金属加工の仕事がきついと言われる理由は、体力や集中力が求められることが中心でした。

一方で手先が器用な人や黙々と作業するのが得意な人には向いています。

金属加工の仕事をお探しの方に参考にしていただけると嬉しいです。