派遣社員のデメリットとは?「やめとけ」と言われる理由や工場派遣の注意点、損をしない働き方も解説
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2026/10/23
この記事でわかること
- 派遣社員のデメリットと「やめとけ」と言われる理由
- 2020年以降に改善されたデメリットと、工場派遣ならではの注意点
- デメリットを小さくする方法と、自分に合った働き方の選び方
工場の求人を探していると派遣の募集がとても多く、すぐ働けそうだと感じる一方で、周りから派遣はやめておけと言われて迷っている方も多いのではないでしょうか。
派遣社員のデメリットには、今も残っているものと、すでに改善されたものが混ざっています。国の統計と制度をもとに、派遣で働く前に知っておきたい不利な点と、その小さくし方を整理しました。
派遣社員とは?デメリットを知る前に押さえたい仕組み
派遣社員のデメリットの多くは、雇われている会社と実際に働く会社が違うという仕組みから生まれています。仕組みを先に押さえておくと、避けられない不利な点と、会社選びで変えられる点を見分けやすくなります。
雇用主は派遣会社、働く場所は派遣先
派遣社員は派遣会社と雇用契約を結び、派遣会社の取引先である派遣先で働きます。給料を払い、社会保険に加入させるのは派遣会社で、毎日の仕事の指示を出すのは派遣先の社員です。工場なら、給料や休みの相談は派遣会社の担当者に、作業手順や持ち場の指示はライン長や班長に、と窓口が分かれます。
工場などの製造業務への派遣は2004年に解禁され、今では派遣の代表的な仕事の1つです。厚生労働省の令和4年派遣労働者実態調査でも、派遣労働者が行っている業務のうち物の製造は19.1%で一般事務に次いで多く、男性に限ると27.5%で最も多い業務でした。
参照:厚生労働省 令和4年派遣労働者実態調査
派遣社員の3つの種類
派遣社員は契約の形で3種類に分かれ、デメリットの出方もそれぞれ違います。
登録型派遣は、仕事が決まったときだけ派遣会社と期間の決まった雇用契約を結ぶ形で、一般に派遣社員と言うときはこれを指します。無期雇用派遣は、派遣会社と期間の定めのない契約を結ぶ形で、派遣先の仕事が終わっても雇用が続きます。紹介予定派遣は、最長6か月の派遣期間の後、本人と派遣先が合意すれば派遣先の社員になる形です。
正社員や契約社員、アルバイトとの違い
正社員、契約社員、アルバイトは働く会社と直接雇用契約を結びますが、派遣社員は働く会社と雇用契約を結んでいません。
| 雇用形態 | 雇用契約を結ぶ相手 | 契約期間 | 給与の形 |
|---|---|---|---|
| 正社員 | 働く会社 | 定めなし | 月給が中心 |
| 契約社員 | 働く会社 | 定めあり | 月給または時給 |
| アルバイト・パート | 働く会社 | 定めありが多い | 時給が中心 |
| 派遣社員(登録型) | 派遣会社 | 定めあり | 時給が中心 |
契約期間があり時給で働く点は契約社員やアルバイトに近く、違いは間に派遣会社が入ることです。これがデメリットにも、後で紹介するメリットにもなります。
派遣社員のデメリット7つ:「やめとけ」と言われる理由
派遣はやめておけと言われる理由は、ほぼ次の7つに集約できます。どれも実際にあるデメリットなので隠さずに紹介し、どの程度困るのかもあわせて説明します。
雇用が不安定で、契約が更新されないことがある
登録型派遣の雇用契約は、派遣先に仕事がある間だけ結ばれます。派遣先が人を減らすと決めれば、本人に問題がなくても更新はされません。
厚生労働省の令和6年度労働者派遣事業報告書の集計結果では、派遣会社と派遣先が結ぶ派遣契約の期間は、2か月を超え3か月以下が28.4%と最も多くなっています。3か月ほどごとに更新の判断があり、そのたびに次も続くかを気にしながら働くことになります。
更新されなかったときに次の派遣先をどう探してくれるのかは、登録時に派遣会社へ確認しておきましょう。
参照:厚生労働省 令和6年度労働者派遣事業報告書
同じ職場で働けるのは原則3年まで
有期雇用の派遣社員が、同じ派遣先の同じ課やグループで働ける期間は3年までです。いわゆる3年ルールで、職場に慣れて仕事を任されるようになっても、3年たつとその課では働き続けられません。
ただし、派遣会社に無期雇用されている派遣社員と60歳以上の派遣社員は対象外です。同じ事業所でも、別の課に移れば働き続けられる場合があります。3年後の選択肢は、後半の章で紹介します。
ボーナスや昇給が期待しにくい
派遣社員の給料は時給制が中心で、ボーナスは出ないか、出ても正社員より少ないケースが多くなっています。同じ派遣先で何年働いても時給がほとんど変わらないという声もよく聞かれます。
2020年4月からは賞与も不合理な差をつけてはいけない待遇になりました。ただ、多くの派遣会社が採用している労使協定方式では、賞与にあたる分を時給に含めて支払う形が認められています。そのため、年2回まとまったお金が入る働き方にはなりにくいのが実情です。
正社員より年収が低くなりやすい
時給だけを見ると派遣社員はアルバイトより高く、正社員の月給を時給に直した額に近いこともあります。それでも年収では差がつきやすく、その差は年齢とともに広がっていくのが実情です。具体的な数字は、正社員との年収比較の章で紹介します。
任される仕事の範囲が限られ、キャリアアップしにくい
派遣社員の仕事内容は、派遣契約で決められた範囲に限られます。工場であればライン作業や検査など決まった工程を担当することが多く、工程の改善や後輩の育成、班長などの役職を任される機会は正社員より少ないのが現状です。スキルが評価されても昇格という形では返ってきにくいため、職務経歴として説明できる経験を自分で意識して積む必要があります。
ローンやクレジットカードの審査で不利になることがある
住宅ローンや自動車ローン、クレジットカード、賃貸住宅の審査では、雇用の安定性が見られます。契約期間が決まっていて勤続年数が短くなりがちな派遣社員は、正社員より審査が厳しくなることがあります。家や車の購入を考えているなら、無期雇用派遣や正社員への切り替えも視野に入れておくとよいでしょう。
契約の切れ目に社会保険の手続きが必要になることがある
派遣社員でも、加入の条件を満たせば派遣会社で健康保険と厚生年金に加入します。派遣だから年金がもらえない、ということはありません。
注意したいのは契約の切れ目です。次の仕事まで間が空くと健康保険と厚生年金の資格をいったん失い、その間は自分で国民健康保険と国民年金に切り替えなければならないことがあります。手続きを忘れると、保険証が使えない期間や年金の未納期間ができてしまいます。次の派遣が決まっている場合などは資格が続く取り扱いもあるため、契約が終わる前に派遣会社へ確認しておきましょう。
工場で派遣として働くときに知っておきたいデメリット
派遣のデメリットは事務の仕事を前提に語られることが多いのですが、工場で派遣として働く場合は、それとは違う不利な点もあります。
生産量の増減で契約終了やシフト変更が起きやすい
工場の仕事量は、取引先からの注文や景気で大きく動きます。減産が決まると、まず派遣社員の人数が調整されることが少なくありません。2008年のリーマンショックの際には、製造業で働く派遣社員の契約打ち切り、いわゆる派遣切りが社会問題になりました。
減産までいかなくても、残業がなくなる、勤務日が減るといった形で収入に響くことがあります。求人の月収例は残業代込みで書かれていることが多いため、残業がない月の収入も計算しておくと安心です。
交替勤務や夜勤のある職場が多い
工場では、24時間ラインを動かすために2交替や3交替の勤務を組んでいる職場が多く、日勤と夜勤を1週間ごとに入れ替える働き方も珍しくありません。深夜手当で収入は増えますが、生活リズムが崩れやすく体への負担もあります。日勤のみを希望するなら、求人の段階で勤務形態を必ず確認してください。
交替勤務の働き方は、夜勤の時間帯と割増賃金の仕組みを解説した記事や、三交代はやめとけと言われる理由をまとめた記事でも紹介しています。
配属されるラインや工程を自分で選びにくい
どのラインや工程に配属されるかは、派遣先の人員の状況で決まることがほとんどです。立ち仕事か座り仕事か、重い部品を扱うかどうかは、働き始めてから分かることもあります。
合わないと感じても派遣先に直接持ち場の変更を頼むのは難しく、派遣会社を通じた相談になります。職場見学や顔合わせの機会に、作業内容を具体的に聞いておきましょう。
寮付き求人は仕事と住まいが同時になくなるリスクがある
工場の派遣求人には寮付きのものが多く、引っ越し費用をかけずにすぐ働けるのは大きな利点です。ただ、寮は派遣会社が用意しているため、契約が終わると退去を求められるのが一般的です。契約が更新されなければ、仕事と住まいを同時に失うことになります。
退去までの猶予や、次の派遣先が決まった場合に寮を移れるかどうかは派遣会社によって違うため、入寮前に確認しておきましょう。寮付き求人の確認ポイントは、寮付き求人の危ない求人の見分け方を解説した記事でもまとめています。
2020年4月以降に改善されたデメリット
交通費が出ない、退職金がない、正社員と同じ食堂が使えないといった話は、2020年4月1日に施行された改正労働者派遣法で改善されています。同じ仕事をしているのに、雇用形態が違うだけで待遇に不合理な差をつけてはいけないという同一労働同一賃金のルールが、派遣社員にも適用されたためです。
交通費が出ないは過去の話
改正法で、通勤手当も派遣社員に支払う対象になりました。支払い方は派遣会社によって違い、時給とは別に実費を支給する形と、一定額を時給に上乗せする形があります。求人に交通費支給と書かれていない場合は、どちらの形かを確認しておくと時給の比較を間違えずに済みます。
退職金がないも改善
退職金も派遣社員に支払う対象になりました。受け取り方は、毎月の時給に上乗せされる前払い、辞めるときにまとめて受け取る一時金、中小企業退職金共済制度の3つです。前払いの場合はすでに毎月の給料に含まれているため、辞めるときに別のお金は出ません。仕組みと金額の目安は、派遣社員の退職金の受け取り方と金額の目安を解説した記事で詳しく解説しています。
正社員との不合理な待遇差は禁止に
派遣先は、自社の社員が使っている食堂、休憩室、更衣室を派遣社員にも利用させなければなりません。業務に必要な教育訓練も、派遣社員に実施することが求められています。同じラインで働く正社員と更衣室や食堂を分けるといった扱いは認められません。
それでも残るデメリット
法改正で埋まったのは、主に不合理な待遇差です。雇用期間が決まっていること、3年ルール、まとまったボーナスや昇給が期待しにくいこと、任される仕事の範囲が限られることは、派遣という仕組みから来るため今も残っています。
令和4年派遣労働者実態調査でも、派遣会社に要望がある人の58.6%が賃金制度を改善してほしいと答え、要望の中で最も多い項目でした。古い情報に振り回されず、残っているデメリットに目を向けて対策を考えましょう。
派遣社員と正社員はどちらが稼げる?年収の違いを数値で比較
時給の高さが派遣の魅力とされる一方で、年収では正社員に届かないとも言われます。国の統計で実際の数字を確認します。
派遣社員の平均賃金
厚生労働省によると、派遣労働者の賃金は8時間換算の平均で16,735円、8で割った時給換算で約2,092円でした。
ただし、この平均には時給の高い技術者の派遣も含まれています。工場の仕事に近い職種を同じ方法で時給に換算すると、製品製造・加工処理従事者は約1,426円、機械組立従事者は約1,493円、運搬従事者は約1,419円です。工場派遣の時給を考えるときは、こちらを目安にしたほうが実態に近くなります。
参照:厚生労働省 令和6年度労働者派遣事業報告書の集計結果
正社員の平均賃金との差
厚生労働省の令和7年賃金構造基本統計調査では、フルタイムで働く人の残業代やボーナスを除いた毎月の給料は、正社員・正職員が35万8,800円、正社員・正職員以外が24万1,700円でした。正社員を100とすると67.4です。正社員以外には、派遣社員のほか契約社員なども含まれます。
注目したいのは年齢ごとの差で、年齢が上がるほど開いていきます。
| 年齢 | 正社員・正職員の月給 | 正社員・正職員以外の月給 | 正社員を100とした水準 |
|---|---|---|---|
| 20〜24歳 | 24万7,500円 | 20万3,500円 | 82.2 |
| 25〜29歳 | 28万5,000円 | 22万7,900円 | 80.0 |
| 30〜34歳 | 32万1,100円 | 23万3,800円 | 72.8 |
| 35〜39歳 | 35万2,600円 | 23万300円 | 65.3 |
| 40〜44歳 | 37万9,000円 | 23万600円 | 60.8 |
出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」第6-1表(一般労働者、所定内給与)
正社員の給料が年齢とともに上がるのに対し、正社員以外は30代以降ほぼ横ばいです。この数字はボーナスを含まないため、年収で比べると差はさらに広がります。
時給が高く見えても年収で差がつく理由
差がつく理由は3つあります。正社員は勤続年数や役職で給料が上がりますが、派遣社員は同じ仕事を続けても時給が大きく上がることは多くありません。正社員に年2回出ることが多いボーナスも、派遣社員は時給に含まれているか、出ないケースがほとんどです。さらに、登録型派遣では派遣と派遣の間の空白期間に給料が出ません。
20代のうちは派遣のほうが手元に残るお金が多いこともありますが、30代以降を見据えるなら、無期雇用派遣や正社員への切り替えも含めて考えておくと安心です。
デメリットだけじゃない派遣社員のメリット
派遣には、デメリットと引き換えに得られるメリットもあります。主なものは次の6つです。
- 派遣会社に仕事を紹介してもらえるため、すぐに働き始めやすく、工場では未経験歓迎や寮付きの求人も多い
- 同じ工場で働く場合でも、時給がアルバイトやパートより高めに設定されていることが多い
- 勤務地や勤務時間、日勤のみか夜勤ありかといった希望を、最初から伝えて仕事を選べる
- 職場の人間関係や仕事の悩みを、派遣会社の担当者を通じて派遣先に伝えてもらえる
- いろいろな工場や工程を経験しながら、自分に合う仕事を探せる
- 紹介予定派遣や派遣先での直接雇用を通じて、正社員を目指す道がある
紹介予定派遣については、令和6年度労働者派遣事業報告書の集計結果で、紹介予定派遣で派遣された人が2万5,535人、職業紹介を経て直接雇用に結びついた人が1万3,881人でした。職場との相性を確かめてから社員になりたい人にとっては、使いやすい仕組みです。
すぐ働きたい、短い期間で集中して稼ぎたいという目的なら、メリットがデメリットを上回る場面は多くあります。反対に、長く安定して働くことを優先するなら、次の比較表で他の働き方とも比べてみてください。
参照:厚生労働省 令和6年度労働者派遣事業報告書
【比較表】登録型派遣・無期雇用派遣・紹介予定派遣・期間工・正社員のデメリットの違い
同じ派遣でも、種類によってデメリットは大きく変わります。工場で働く場合によく比べられる期間工と正社員も含めて表にまとめました。
| 項目 | 登録型派遣 | 無期雇用派遣 | 紹介予定派遣 | 期間工 | 正社員 |
|---|---|---|---|---|---|
| 雇用の安定 | 低い。契約ごとに更新 | 高め。派遣先が変わっても雇用は続く | 派遣期間は最長6か月。その後は直接雇用か終了 | 期間の定めあり。満了で終了 | 高い |
| 収入 | 時給制。昇給は少なめ | 月給制が多い。昇給は会社による | 派遣中は時給制 | 時給や日給制。手当が多めのことも | 月給制。昇給あり |
| ボーナス | 出ないか時給に含まれることが多い | 会社による | 直接雇用後は会社の制度による | 満了金などが出ることがある | 出ることが多い |
| 3年ルール | 対象 | 対象外 | 派遣期間は最長6か月 | 対象外(直接雇用) | 対象外 |
| 仕事や職場の選びやすさ | 選びやすい | 選びにくい | 求人が少なめ | 工場が決まっている | 異動は会社が決める |
| 始めやすさ | 始めやすい | 選考がある | 選考がある | 始めやすい。寮付きが多い | 選考がある |
無期雇用派遣のデメリット
無期雇用派遣は雇用が続くため、登録型派遣の一番のデメリットである不安定さを小さくでき、3年ルールの対象外なので同じ派遣先で長く働くこともできます。その代わり、紹介された派遣先を断りにくく、勤務地が変わることもあります。派遣会社の選考があり、誰でもすぐなれるわけではありません。
次の派遣先が決まるまでの待機期間も雇用は続きますが、給料が満額とは限りません。会社の都合で休ませる場合、労働基準法では平均賃金の6割以上の休業手当を払うと決まっており、満額か6割かは会社によって違います。詳しくは無期雇用派遣の仕組みを解説した記事でまとめています。
紹介予定派遣のデメリット
紹介予定派遣は、派遣先が採用しないと判断すれば直接雇用には進めません。前述の令和6年度の集計でも、紹介予定派遣で派遣された人のうち直接雇用に結びついた人の数はおよそ半分でした。通常の派遣より求人が少なく、直接雇用後の雇用形態が正社員ではなく契約社員の場合もあるため、応募前に確認が必要です。
期間工との違い
期間工は、自動車メーカーなどの工場に期間を決めて直接雇用される働き方です。3年ルールの対象にはならず、満了金や慰労金が出る、寮費が無料といった求人もあります。一方、契約期間が決まっている点は派遣と同じで、働く工場も最初から決まっているため職場を変える自由はありません。1つの工場で集中して稼ぎたいなら期間工、職場を変えながら自分に合う仕事を探したいなら派遣が向いています。
派遣社員のデメリットを小さくする方法
派遣のデメリットの多くは、働き始める前の確認と、派遣会社や働き方の選び方で小さくできます。
契約前に確認したいこと
面談や職場見学では、次の項目を確認しておきましょう。
- 契約期間と、更新の見込みや過去の更新状況
- 残業の有無と月の平均時間、残業がない月の収入の目安
- 日勤のみか、交替勤務や夜勤があるか
- 寮の費用と光熱費、契約が終わったときの退去までの期間
- 健康保険、厚生年金、雇用保険の加入時期
- 交通費の支給方法と上限
- 退職金の受け取り方が前払い、一時金、中小企業退職金共済制度のどれか
- 配属予定のラインや工程、立ち仕事か座り仕事か
工場派遣の求人は残業代込みの月収例が多いため、残業がない場合の金額も聞いておくと減産時の収入減に備えられます。
工場や製造業に強い派遣会社を選ぶ
工場で働きたいなら、製造業の求人を多く扱う派遣会社を選ぶと、紹介される仕事が多く、契約が終わったときに次の派遣先も見つけやすくなります。勤務形態や寮の事情を具体的に説明できる担当者なら、働き始めてからの相談もしやすいはずです。
無期雇用派遣や紹介予定派遣も選択肢に入れる
雇用の不安定さが一番気になるなら無期雇用派遣を、将来は正社員になりたいなら紹介予定派遣や派遣先での直接雇用を目指す方法があります。令和4年派遣労働者実態調査では、派遣以外の形で働きたい派遣労働者が37.0%いて、そのうち74.3%が正社員として働きたいという回答でした。登録型派遣で始めて、慣れたら別の形に移る道筋を最初から考えておくと、3年ルールにも慌てずに済みます。
フォークリフトなどの資格で選べる仕事を増やす
工場や倉庫の仕事では、フォークリフト運転技能講習を修了していると応募できる求人が増え、時給の高い仕事も選びやすくなります。資格は職場が変わっても使えるため、任される仕事の範囲が限られるという派遣のデメリットを補う手段になります。資格取得の支援制度がある派遣会社もあるので、登録時に確認してみてください。
この記事を読んだ方におすすめの求人
派遣社員は3年後どうなる?3つの選択肢
有期雇用の派遣社員が同じ課で3年を迎えても、そこで仕事がなくなるわけではありません。派遣会社には、同じ組織単位で3年続けて派遣される見込みのある人に対して、雇用安定措置と呼ばれる対応をとる義務があります。主な選択肢は次の3つです。
派遣先に直接雇用される
派遣会社が派遣先に直接雇用を依頼し、派遣先が受け入れれば、派遣先の社員として働き続けられます。正社員とは限らず、契約社員として雇われる場合もあります。
別の派遣先で働く
派遣会社から新しい派遣先を紹介してもらう方法です。同じ事業所でも、別の課に移れば働き続けられる場合があります。仕事内容や勤務地が変わることもあるため、条件をよく確認してから決めましょう。
派遣会社の無期雇用派遣に切り替える
派遣会社と期間の定めのない契約を結び直し、無期雇用派遣として働く方法です。3年ルールの対象外になるため、派遣先が受け入れていれば同じ職場で働き続けられることもあります。
どれを選べるかは、派遣先の方針や派遣会社の制度で変わります。3年を迎える半年ほど前には担当者に相談し、希望を伝えておくと選べる道が増えます。
派遣社員に向いている人・向いていない人
派遣が合うかどうかは、何を優先するかでおおよそ判断できます。
派遣社員に向いている人
次のような目的がある人は、派遣のメリットを活かしやすい働き方です。
- 寮付きの仕事などで、すぐに働き始めたい人
- 働く期間や勤務地、日勤か夜勤かといった条件にこだわりがある人
- いくつかの工場や工程を経験して、自分に合う仕事を探したい人
- 20代のうちに時給の高い仕事で集中してお金を貯めたい人
正社員や無期雇用派遣を考えたほうがいい人
反対に、次に当てはまる人は登録型派遣のデメリットを大きく感じやすいでしょう。
- 毎月の収入や雇用の安定を何より優先したい人
- 数年以内に住宅ローンや自動車ローンを組む予定がある人
- 昇給や昇進で、30代以降も収入を伸ばしていきたい人
どちらにも当てはまる場合は、無期雇用派遣や紹介予定派遣のように、両方の良さを取り入れた働き方を検討してみてください。
派遣社員のデメリットに関するよくある質問
派遣で働くことを考えている方から多い疑問に答えます。
派遣社員は厚生年金や健康保険に入れる?
入れます。労働時間や雇用期間などの加入条件を満たせば、派遣会社を通じて健康保険と厚生年金に加入します。加入の条件は短時間で働く人への適用拡大などで見直しが続いているため、自分が対象になるかは登録時に派遣会社へ確認してください。
派遣社員は何歳まで働ける?
派遣社員として働ける年齢に上限はありません。60歳以上の派遣社員は3年ルールの対象外なので、同じ職場で長く働きやすくなります。ただ、工場の仕事は体力を使うものが多く、年齢とともに紹介される仕事の種類が変わることはあります。
派遣の仕事を途中で辞めることはできる?
期間の決まった契約は、契約期間の最後まで働くことが前提です。体調不良や家庭の事情などやむを得ない理由がある場合は、派遣先に直接伝えるのではなく、まず派遣会社の担当者に相談しましょう。
工場の派遣は未経験でも大丈夫?
工場の派遣求人には未経験歓迎のものが多く、ライン作業や検査、梱包などは手順を覚えれば始めやすい仕事です。最初は簡単な工程から任されることが多いため、職場見学で教育の流れや最初に担当する作業を聞いておくと不安が減ります。
まとめ
派遣社員には、雇用が不安定なこと、同じ職場は原則3年まで、ボーナスや昇給が期待しにくいこと、年齢とともに正社員との収入差が広がることといったデメリットが今も残っています。工場派遣では、減産による契約終了や寮の退去も考えておく必要があります。
一方で、交通費が出ない、退職金がないといった話は2020年4月の法改正で改善されました。契約期間や更新の見込み、残業がない月の収入、寮の扱い、社会保険の加入時期を契約前に確かめれば、多くのデメリットは避けたり小さくしたりできます。
すぐに働きたい、職場を見極めたい、安定して長く働きたいなど、優先したいことによって合う働き方は変わります。登録型派遣だけでなく、無期雇用派遣や紹介予定派遣、正社員の求人も比べながら、自分に合う仕事を探してみてください。
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